くすぶり型経過を示した後天性血栓性血小板減少性紫斑病

書誌事項

タイトル別名
  • Acquired thrombotic thrombocytopenic purpura with a smoldering clinical course
  • 症例報告 くすぶり型経過を示した後天性血栓性血小板減少性紫斑病
  • ショウレイ ホウコク クスブリ ガタ ケイカ オ シメシタ コウテンセイ ケッセンセイ ケッショウバン ゲンショウセイ シハンビョウ

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抄録

<p>後天性の血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)はADAMTS13活性を阻害する自己抗体により惹起される重篤な血栓性疾患で,急性期治療が確立した現在でもその死亡率は20%と高い。症例は,77歳の男性。数ヶ月前から脳梗塞を繰り返し,同時に遷延性の血小板減少も指摘されていた。急激に進行する意識障害と血小板減少で前医へ入院。TTPと診断,治療目的に当院へ転院し,血漿交換と並行してステロイドによる免疫抑制療法を開始した。急性期治療は奏効するも,grade 3の肝機能障害が出現したため,ステロイドによる免疫抑制療法を中断した。その後,低力価のインヒビターが残存し,ADAMTS13活性低値で推移したにも関わらず,長期にわたりTTPの再燃なく経過している。本症例のようにくすぶり型の経過を示すTTPは稀ではないと思われる。このような知見を報告することは,TTPの早期診断と早期死亡の低減に有用である。</p>

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 58 (2), 108-112, 2017

    一般社団法人 日本血液学会

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