夏期冷房環境下における着衣と温冷感評価の男女差に関する研究

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • Study on sex differences in clothing and thermal comfort with using air conditioner in summer

抄録

目的 冷房環境下における、多数の被験者の生理心理反応および着衣等の日常生活に関するアンケートの結果から、冷房時の温冷感、快適感の男女差の要因を明らかにすることを目的とした。方法 室温が25℃になるように空調を設定した大学教室に、男女各100名を60分間滞在させ、体格、舌下温、血圧等の測定、温冷感、快適感等の申告を得た。また実験時の着衣や日常生活アンケートも実施し、温冷感評価の男女差の要因を検討した。実験は関西の4つの大学教室で実施し、2009年7月下旬~8月のうち被験者の都合が良い一日を選択させた。着衣は普段の服装とした。結果 25℃(RH48%~86%)・60分曝露後のSET*は男性24.1℃、女性24.4℃となり、舌下温、血圧は実験を通して女性の方が低かった。男性は7割が温熱的に中性と申告したが、女性は6割が寒い側に評価した。快適感は、男性は9割がどちらでもない以上快適側に評価したが、女性は7割にとどまった。温冷感、快適感ともに、男女間で有意差が認められ、女性は涼しい環境への不快度が高かった。着衣については、重ね着により着衣アイテムが多い女性の方が着衣量は有意に大きかった。(男性0.43clo、女性0.47clo)しかし女性の方が下腿の露出が多く、全身の露出面積率は男性29%、女性33%となり有意差が認められた。このことから女性の方が肌への直接的な温熱環境の影響を受けやすく、また被覆部位の違いが放熱を促し、涼しさの要因になった可能性が示唆された。

収録刊行物

キーワード

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205560984960
  • NII論文ID
    130005470333
  • DOI
    10.11428/kasei.66.0_2
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ