「大地の遺産100選」の選定作業と候補地

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  • Selection Scheme for Japanese 100 Geoheritages and Candidate Places

抄録

Ⅰ.「大地の遺産100選」選定委員会の発足  日本地理学会では、ジオパーク対応委員会を中心に日本の「大地の遺産100選」の選定を目指してきた。これまでにも、大地の遺産の概念に関するシンポジウムを計3回、候補地の選出アンケートを計4回行って来た。  本年度は「大地の遺産100選選定委員会」を発足させ、シンポジウムとアンケートの結果を踏まえた実際の選定作業を進めている。なお、委員のメンバーは本発表の発表者である。本発表ではその選定作業の状況と大地の遺産100選の候補地について紹介する。   Ⅱ.選定の手順と候補地  選定委員会では、日本地理学会の会員の意見を反映すべく、候補地の列挙をシンポジウムの会場や郵送によるアンケートによって行ってきた。結果、合計264ヶ所の候補地が示された(ただし、重複を含む)。その内訳は以下の通りである。2012年3月の大会シンポジウムにおいては、登壇者から155ヶ所、アンケート回答者から40ヶ所の候補地(計195ヶ所)が、2013年3月の大会シンポジウムでは、登壇者から7ヶ所、アンケート回答者から38ヶ所の候補地(計45ヶ所)があげられた。また、2013年5月に実施した日本地理学会代議員への郵送アンケートによって20ヶ所が、2012年度から行っているウェブサイト上のアンケートによって4ヶ所があげられた。  この延べ264ヶ所の候補地のリストを基に、選定委員による各候補地への投票、および議論が2013年7月に行われた。その結果、計65ヶ所の「大地の遺産」が選定された。そのリストは大会発表の時点に提示するが、例えば、根釧原野、八幡平、黒部川扇状地、甲府盆地、志摩半島南岸、足摺岬、姶良火山とシラス台地などが選ばれている。なお、選定には日本の中で大きな偏りがないよう地方別に議論をし、また各都道府県に少なくとも1つは大地の遺産が選定されるように配慮した。 なお、大地の遺産は複数のサイトからなっているものが多い。これは、候補地内の様々なサイトが、地域の特徴をよく示し,相互に関連し合っているという視点(ストーリー)を重視したためで、「大地の遺産100選」が地理学や地誌学の考え方を対外的に示すということを意図したものでもある。   Ⅲ.今後の予定  ここまでに65ヶ所の大地の遺産が選ばれ、それぞれのストーリーの核も決定してきているが、現在は委員会が各ストーリーの精査とエリアの設定を進めている。それらについては大会時に公開予定である。なお、100選にはまだ35ヶ所の不足がある。そのため、引き続き議論や選定を続けていく。そこで、是非とも大会発表ブースでは多くの会員の方々から意見を頂戴し、委員会での議論に反映させていければと思っている。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205695650688
  • NII論文ID
    130005473554
  • DOI
    10.14866/ajg.2013a.0_100138
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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