福島原発事故の小型哺乳類における放射性セシウム濃度の経年変化

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • Change of radiocesium concentrations in small mammals after the Fukushima nuclear accident

抄録

【目的】福島第一原発事故(2011年3月)による放射性物質の影響を解明するために,地表土中性のアカネズミなど小型哺乳類を対象に放射性物質の変化を検討する.【方法】原発から30kmの福島県川内村調査地(高線量地,空間線量は平均3.6μSv/hr)と70kmの茨城県北茨城市調査地(低線量地,空間線量0.2μSv/hr)で2011年と2012年捕獲したアカネズミなどの骨格筋(骨格も含め)のセシウム濃度を比較検討した.【結果】高線量地のアカネズミの放射性セシウム濃度は,1年目(平均4,415Bq/ kg生重,最大18,034-最小920Bq/kg, n=26)よりも2年目(平均5,950Bq/ kg,最大19,498-最小567Bq/kg, n=10)でやや増加し,いずれの年でも濃度に個体変異が大きかった.時間的経過による物理的減衰とは逆に,事故2年目の濃度の増加は放射性物質の環境中の移動などが反映したと考えられる.また個体変異の大きさは,放射性セシウム濃度の異なる餌が反映したと考えられる.一方,アカネズミ,ヒメネズミ,ヤチネズミ及びヒミズが高濃度蓄積を示し,種的特性が反映したと考えられる.

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205711108224
  • NII論文ID
    130005474348
  • DOI
    10.11519/jfsc.125.0_400
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ