基本3種の把持姿勢をとる2自由度筋電義手の指形状に応じた機能の評価

DOI
  • 星川 英
    電気通信大学大学院
  • 加藤 龍
    横浜国立大学大学院
  • 森下 壮一郎
    電気通信大学 脳科学ライフサポート研究センター
  • 中村 達弘
    電気通信大学大学院 国立精神・神経医療研究センター 脳病態統合イメージングセンター
  • 關 達也
    電気通信大学大学院
  • 姜 銀来
    電気通信大学 脳科学ライフサポート研究センター
  • 横井 浩史
    電気通信大学大学院 電気通信大学 脳科学ライフサポート研究センター

書誌事項

タイトル別名
  • Evaluation of Function According to Finger Shape of Two Degrees of Freedom Myoelectric Prosthetic Hand Which Can Perform Basic Posture of Three Kinds of Grasping

抄録

筋電義手は上肢切断患者等の上肢機能を再建するものである.多様な日常生活動作を可能にするためには筋電義手の動作自由度は高い方が良い.しかしながら,動作自由度を増やすほど義手の重量は増加する.義手の重量が増すと使用者にとって大きな負担となる.したがって,動作自由度を最低限に抑えて軽量化を図る必要がある.これまでの研究で我々は,連動する示指と中指のMP関節と,母指CM関節との2自由度で3種の把持姿勢(握力把握,精密把握,側面把握)を可能とする義手を開発している.これにより,日常生活に必要とされる手の動作の85%が実現可能である.この義手は,母指CM関節を対立させた状態で示指と中指を屈曲させたときに指尖が合うような指の形状にすることで,上記3種の把持姿勢が可能になっている.しかしながら,特に各指の関節角が,把持可能な物体の形状や把持力などの把持機能に大きな影響を及ぼすにも関わらず,これまでは経験的に形状を決定していた.そのために,把持機能に応じた義手の設計ができないという問題があった.これを解決するには,義手の形状をモデル化し,把持機能との関係を明らかにする必要がある.以上のことから本研究では,実現したい把持機能に応じた義手の設計を可能にするための義手のモデル化およびそれに応じた把持機能の検証を行う.具体的には,まず指の関節角度を設計パラメータとして,複数の2自由度義手を作成し,実機を用いた引抜力測定実験を行った.さらに,物体を把持するときの正確さや容易さの評価をするために,Pick-and-Place実験を行った.なおこの実験は,日常生活における機能を評価するために,日常生活で把持する頻度の高い物体を選定して行った.その結果,指の曲げ角度の大きい義手は,把持した物体を保持する力は強いが物体の把持は困難になる傾向があった.一方,指の曲げ角度の小さい義手は,保持力は弱いものの物体の把持は容易になる傾向があった.

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680650591744
  • NII論文ID
    130005480628
  • DOI
    10.14864/fss.30.0_694
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ