ニホンザルにおける新たな妊娠評価法

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タイトル別名
  • New Method for Detection of Pregnancy in Japanese macaques

抄録

ヒトの胎児の副腎からは大量のDHEASが分泌され、その大部分は肝臓で16αhydroxylationを受け、16αOH-DHEASとなる。その後16αOH-DHEASは胎盤でアロマターゼによりエストリオールに代謝される。妊娠が安定し胎盤が正常に機能していると代謝排泄されるエストリオールの量は出産前まで増え続ける。ニホンザルの妊娠診断は、これまで、超音波診断法や直腸腹壁双合診や尿を用いた絨毛性性腺刺激ホルモン測定による方法がおこなわれてきたが、サンプル採取の容易な糞による方法は確立されていない。そこで我々は、ヒトで妊娠中に大量に排泄されるエストリオール代謝物(E33G)を妊娠ニホンザルの糞や尿から測定する方法を開発し、妊娠前から出産後までの期間のE33G値を測定した。その結果、ニホンザルのE33G値は妊娠100日頃から上昇し、出産直前まで高かった。流産、早産など異常産がみられたニホンザルではE33G値の妊娠後期の上昇が少なかった。これらのことより糞中、尿中のE33G値の測定は、ニホンザルの妊娠診断や、妊娠のモニタリングに活用できることが期待される。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680611639296
  • NII論文ID
    130005485744
  • DOI
    10.14907/primate.31.0_64_1
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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