九州暖温帯常緑広葉樹林における土壌呼吸に対する温暖化の影響

DOI
  • 寺本 宗正
    国立環境研究所地球環境研究センター
  • 梁 乃申
    国立環境研究所地球環境研究センター
  • 高木 正博
    宮崎大学農学部附属フィールド科学教育研究センター 田野フィールド
  • 曾 継業
    国立環境研究所地球環境研究センター

書誌事項

タイトル別名
  • Influence of soil warming on soil respiration in warm-temperate evergreen broad-leaved forest in Kyushu

抄録

土壌呼吸は根呼吸と微生物呼吸からなり、陸域生態系において2番目に大きな炭素フラックスである。微生物呼吸は温度上昇に対し、指数関数的に増加するため、地球温暖化によって土壌呼吸が増加し、さらに温暖化を加速させるという正のフィードバックが懸念される。その一方で、温暖化による土壌呼吸の増進効果は数年で低減する(順化)という報告もあるため、温暖化に対する応答の見極めには、連続的かつ長期的な実測データが不可欠である。<br> 2008年12月中旬に、宮崎大学田野フィールド内、常緑広葉樹二次林(コジイ林)に、国立環境研究所が独自に開発したマルチチャンネル式自動開閉チャンバーシステムを設置した。チャンバー周辺の根切りを行い、さらに地表面から約1.6 mの高さに赤外線ヒーターを取り付けた測定区(温暖化区)を用意し、地温を約2.5℃上昇させた上で、土壌呼吸を継続的に観測した。<br> その結果、温暖化による土壌呼吸の増加率としては、2009年が5.4%、2010年が9.9%、2011年が18.4%、2012年が29.5%と増加の傾向を見せたが、2013年は夏季の著しい高温少雨の影響を受け、11.5%と低調であった。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680686064768
  • NII論文ID
    130005490681
  • DOI
    10.11519/jfsc.126.0_101
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ