牛尿排水からのリン回収

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タイトル別名
  • PHOSPHOROUS RECOVERY FROM URINE BASED WASTEWATER OF COWSHED
  • ギュウ ニョウ ハイスイ カラ ノ リン カイシュウ

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抄録

日本はリン肥料の全量を輸入に頼っており、その価格は国際価格に依存する。安定的に供給するためにはリン鉱石以外のリン資源が求められており、牛尿は排水として処理されることが多いため、未利用のリン資源と考えられる。本研究では、牛舎で発生する尿を主体とした排水からリン回収を行うために、尿中に自発的に生成する沈澱のシミュレーションモデルの妥当性の確認及び生成する化学種の確認を行い、尿の希釈がリン回収率に与える影響について検討を行った。その結果、溶液中の各成分濃度がほとんど変化せずに平衡に達している状態では、phreeqcを用いた計算結果は溶液中及び沈殿物の成分組成が実値を良く再現した。沈殿物のXRD解析と組成分析から炭酸カルシウムと、マグネシウム、リンを含む物質があることが分かり、計算からこのリンを含む物質はリン酸マグネシウムアンモニウムであることが予測された。尿が希釈されるとリン回収率が下がることが示され、リン濃度が高い場合には回収率は比較的低下しにくかった。このことから、尿を希釈しないような工夫が必要である。計算から回収率を予測できることが分かった。

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