子宮広間膜裂孔ヘルニアの1例

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  • A Case Report of Internal Herniation Through a Defect in the Broad Ligament of the Uterus

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抄録

<p>症例は55歳女性で下腹部痛を主訴に当院を紹介受診となった。腹部手術歴はなく,3回の妊娠および出産(いずれも普通分娩)の既往があった。腹部CT検査で当初は小腸イレウスと診断し,イレウス管を挿入するも改善を認めなかった。6病日目の腹部CT検査で子宮広間膜裂孔ヘルニアと診断され,緊急手術の方針となった。開腹すると右子宮広間膜に異常裂孔を認め,裂孔に小腸が嵌入していた。さらに裂孔中央に存在する索状物により約15cmの小腸が絞扼されており,索状物を切離し,絞扼を解除した。腸管の虚血所見は認めなかった。右子宮広間膜には径3cm程の裂孔があり,Fenestra型と診断した。裂孔を縫合閉鎖し,手術終了とした。術後経過は良好で術後7日目に退院となり,術後5ヵ月でも再発は認めていない。子宮広間膜裂孔ヘルニアは本邦では115例の報告があり,比較的まれな疾患である。若干の文献的考察を踏まえ,報告する。</p>

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