非侵襲的陽圧換気療法を行った重症型脊髄性筋萎縮症Ⅰ型の1例

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  • Non-invasive positive pressure ventilation during the management of severe spinal muscular atrophy type I

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抄録

<p> 脊髄性筋萎縮症Ⅰ型 (SMA Ⅰ型) の中で3カ月未満に症状が顕在化する症例は, 重症型と分類され生命予後も不良である. 我々は生後1カ月の重症型SMA Ⅰ型女児に対して非侵襲的陽圧換気療法 (NPPV) の使用を試み, 有用性について検討した. 児は出生時より低緊張と哺乳不良を示し, SMN1遺伝子異常 (エクソン7・8の欠失) を認めた. 生後1カ月時に感冒様症状に伴い呼吸状態が悪化したため, 人工呼吸管理を必要としたが, 両親は気管切開術を希望せず, NPPVとmechanical in-exsufflator (MI-E) を導入した. それにより四肢冷感・冷汗が改善し, 胸郭の動きが改善するとともに心拍数が低下し, 睡眠も改善した. 11カ月頃より誤嚥性肺炎や喀痰による気道閉塞を繰り返したため, 1歳から終日NPPV装着を要し, 1歳4カ月で家族の看取りの中死亡した. NPPVにより気管切開術を避けることができ, ある程度quality of lifeを改善することができたが導入には課題も多い. 有用性と課題について考察した.</p>

収録刊行物

  • 脳と発達

    脳と発達 49 (2), 141-144, 2017

    一般社団法人 日本小児神経学会

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