IgG4関連動脈疾患

DOI
  • 笠島 史成
    独立行政法人国立病院機構金沢医療センター心臓血管外科
  • 川上 健吾
    独立行政法人国立病院機構金沢医療センター心臓血管外科
  • 松本 康
    独立行政法人国立病院機構金沢医療センター心臓血管外科
  • 遠藤 將光
    独立行政法人国立病院機構金沢医療センター心臓血管外科
  • 笠島 里美
    独立行政法人国立病院機構金沢医療センター病理診断科 独立行政法人国立病院機構金沢医療センター臨床検査科
  • 川島 篤弘
    独立行政法人国立病院機構金沢医療センター病理診断科 独立行政法人国立病院機構金沢医療センター臨床検査科

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タイトル別名
  • IgG4-related Arterial Disease

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抄録

<p>IgG4関連疾患(IgG4-RD)は,血清IgG4高値,病変組織の著明なIgG4陽性形質細胞浸潤と線維増生を特徴とする原因不明の全身性疾患である.著者らは2008年に炎症性腹部大動脈瘤(IAAA)の一部がIgG4-RDであることを報告し,血管病変の存在が明らかとなった.IgG4関連動脈疾患は,大動脈や,中型動脈(大動脈の1~2次分枝)に好発し,大動脈や腸骨動脈では瘤化を伴うことも多い.通常の血管炎と異なり炎症の主座が外膜にあることが特徴であり,線維増生と炎症細胞浸潤による著明な外膜肥厚を呈する.臨床症状として発熱や腹痛,水腎症等を認める例がある一方,自覚症状に乏しい場合も多い.診断は,画像所見(動脈壁の肥厚性病変),高IgG4血症,病理組織学的所見により総合的に行う.治療として,瘤化した例には人工血管置換術や血管内治療が行われ,炎症の強い例にはステロイドも使用される.本疾患は,他臓器のそれと異なり瘤化,破裂により致死的な状況をきたしうるため,診療においてはとくに注意が必要と考えられる.</p>

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