後期更新世・完新世における姶良カルデラの隆起

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • Late Pleistocene and Holocene uplift of Aira caldera in southern Kyushu, Japan

抄録

鹿児島湾奥を占める姶良カルデラの南西縁は,更新世・完新世の旧海水準と噴火の資料が共在し,しかも歴史時代以降において桜島火山を中心とした姶良カルデラ火山地区の火山活動と地盤変動の関係が明らかにされているため,後期更新世・完新世の大規模カルデラの地殻変動と火山活動を検討する上で重要な資料を提供する.ここにおいて海成段丘とその堆積物の海抜高度,およびテフラと考古資料を使ったそれらの編年を基に,後期更新世・完新世における姶良カルデラの地殻変動を検討した.姶良カルデラは,後期更新世以降,大局的にはおよそ1mm/年の速さで隆起していることを示す. 細かくみると,10万年前~7000年前に0.7mm/年,7,000年前~550年前に1mm/年を示し,新しくなるにつれ,隆起が速くなっているようにみえる.歴史時代の火山活動と地盤変動の関係からみると,さらに長期間の後期更新世・完新世の隆起も姶良カルデラの火山活動に由来するものであると考えられる.今回の結果は,姶良カルデラの火山噴火を評価する上で一つの意味ある資料を提供すると考える.

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205694499584
  • NII論文ID
    130005635623
  • DOI
    10.14866/ajg.2017s.0_100088
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ