気管支喘息を合併したアレルギー性鼻炎に対し,ダニ皮下免疫療法を施行した一症例

DOI
  • 川島 佳代子
    国家公務員共済組合連合会 大手前病院耳鼻咽喉科
  • 寺田 理沙
    国家公務員共済組合連合会 大手前病院耳鼻咽喉科
  • 大西 恵子
    国家公務員共済組合連合会 大手前病院耳鼻咽喉科
  • 山戸 章行
    国家公務員共済組合連合会 大手前病院耳鼻咽喉科

書誌事項

タイトル別名
  • Mite subcutaneous immunotherapy to treat allergic rhinitis with concomitant bronchial asthma

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抄録

 小児期に発症したアレルギー性鼻炎の罹病期間は長期にわたり,薬物の使用年数も長期になる。アレルゲン免疫療法はアレルギー性鼻炎,気管支喘息に対して自然経過を修飾する可能性があるとされる。今回アレルギー性鼻炎,気管支喘息を合併した小児に対し,ダニアレルゲン皮下免疫療法を施行した。治療後,鼻炎症状は改善し,生活の支障度も改善した。また咳症状は改善し,ピークフロー値は薬物を減量しても低下を認めなかった。アレルゲン免疫療法は,症状改善や薬物使用量の減少だけでなく,新規感作抑制,喘息発症抑制作用も報告されており,小児において治療を考慮すべき患者も存在する。現在12歳未満の患者に対して舌下免疫療法の適応はなく,皮下免疫療法の適応のみとなっているが,皮下免疫療法は疼痛があり,施行医療機関が限られており,治療できる小児は限定される。将来的には舌下免疫療法の小児への適応拡大が望まれる。

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