不確実性を考慮した国際河川の提携支援ツールの開発

  • 齋藤 自快
    東京大学 大学院工学系研究科 社会基盤学専攻
  • 川崎 昭如
    東京大学 大学院工学系研究科 社会基盤学専攻

書誌事項

タイトル別名
  • A Decision Support Tool for Cooperative Transboundary River Development considering Uncertainty:
  • 不確実性を考慮した国際河川の提携支援ツールの開発 : メコン川における水力発電施設開発を対象に
  • フカクジツセイ オ コウリョ シタ コクサイ カセン ノ テイケイ シエン ツール ノ カイハツ : メコンガワ ニ オケル スイリョク ハツデン シセツ カイハツ オ タイショウ ニ
  • -メコン川における水力発電施設開発を対象に-
  • Case of Hydropower Development in the Lower Mekong

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抄録

<p> 経済成長と人口増加のため多くのアジア諸国では水資源の確保と供給は大きな課題であり,豊富な水資源を有するメコン川の開発には大きな関心がもたれてきた.本研究では,メコン川最大の支流域で,カンボジア・ラオス・ベトナムをまたぐ3S支流域での,水力発電施設の国家間の提携的開発のための意思決定を支援するツールを開発した.本ツールはRobust Decision Makingの概念を応用し,数値シミュレーションに用いるデータの不確実性を考慮しつつ,提携時の便益を定量的に算定できる. 単独開発・2カ国間提携・3カ国提携の提携シナリオにおいて,電力取替原価・環境コスト・開発予算の入力変数について5,011,875通り中4,504,231通りの値の組み合わせで3カ国提携が最大の便益を生み出すことが判明し,3カ国提携のロバスト性が示された.一方,予算が特定の条件を満たすときはカンボジアとベトナムの提携が最大の便益を生み出し,この予算の条件が完全には満たされない場合でも,ラオスが予算を部分的に共有することで便益を最大化できることが判明し,新たな3カ国の提携の可能性を示した.</p>

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参考文献 (4)*注記

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