多発性骨髄腫 —病態解明の進歩と治療の現在—

  • 黒田 純也
    京都府立医科大学大学院医学研究科 血液内科学
  • 知念 良顕
    京都府立医科大学大学院医学研究科 血液内科学

書誌事項

タイトル別名
  • Multiple myeloma: pathophysiology and progress in management
  • 多発性骨髄腫 : 病態解明の進歩と治療の現在
  • タハツセイ コツズイシュ : ビョウタイ カイメイ ノ シンポ ト チリョウ ノ ゲンザイ

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抄録

<p>多発性骨髄腫(multiple myeloma, MM)の病態解明に迫る基礎研究,ならびに治療開発研究における近年の発展は目覚しい。各種の分子標的治療薬,免疫調節薬,モノクローナル抗体薬など,様々な個性と特徴を有する新規治療薬が利用可能となる一方,MMの病態形成に関わる分子生物学的異常,免疫学的制御異常の症例毎の多様性と症例間の不均一に関する理解が深まるなかで,今後,これらの膨大な情報を,治療薬・戦略の選択や疾患状態のモニタリングにおいて,あるいは,治療効果を占ううえでのバイオマーカーなどとして実診療において有効に活用していくかが重要な課題となる。本稿では,MMの分子病態に関する新規知見と,いよいよ本格化する免疫化学療法において重要性を増すMMの免疫学的制御異常について概説する。さらに,治療戦略の高度化に付随する診断の技術・概念の変革について,特に留意すべき点について概説する。</p>

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 58 (5), 487-497, 2017

    一般社団法人 日本血液学会

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