複数のアミド型局所麻酔薬に即時型アレルギーを示した1例

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タイトル別名
  • A Case of Immediate-Type Allergic Reactions to Multiple Amide Local Anesthetics

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抄録

60歳代,女性。当科初診より約20年前に,歯科での塩酸リドカインによる局所麻酔時に,嘔気・ふらつき・頻脈が出現し,安静にて軽快した。半年ほど前にも,耳鼻咽喉科で塩酸リドカインによる局所麻酔下に鼓膜切開術施行されたところ,同様の症状が出現した。今回,左肘頭部粉瘤の切除目的に当科を受診した際に,塩酸リドカインによるI型アレルギー反応を疑われた。アミド型局所麻酔薬およびエステル型局所麻酔薬について皮膚テストを施行したところ,いずれもアミド型局所麻酔薬の塩酸リドカイン,塩酸ジブカイン,塩酸ブピバカインで陽性であった。アミド型局所麻酔薬アレルギーは非常にまれであるが,文献的にはアミド型同士の交差反応は比較的頻度が高いとされる。本症例も交差反応が示唆された。(皮膚の科学,16: 146-149, 2017)

収録刊行物

  • 皮膚の科学

    皮膚の科学 16 (2), 146-149, 2017

    日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会

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