胸腔鏡下心膜開窓術とステロイドホルモン剤で治療を行った結核性心膜炎の1例

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  • A case of tuberculous pericarditis treated by video-assisted thoracoscopic pericardial fenestration and steroid therapy

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抄録

<p>症例は83歳,男性.食欲低下と体重減少の精査のため当院へ紹介となった.胸部CTで両側胸水と心囊液を認め,心臓超音波検査では心囊液による左室の拡張障害を認めた.第9病日に心タンポナーデを呈し,心囊ドレナージ術を施行した.心囊液のPCR検査で結核菌陽性であり,結核性心膜炎,両側結核性胸膜炎と診断,抗結核薬を開始した.排液量が多く,第20病日に全身・硬膜外麻酔下に左胸腔鏡下心膜開窓術を施行した.著明に肥厚した壁側心外膜と浮腫状の臓側心外膜との間の線維素状癒着を剥離したのちに壁側心外膜を4×3 cm切除した.被包化した心囊液による拡張障害が残存したため,多数の心膜切開を行った.術後はステロイド剤を追加し,心囊液の再貯留は認めず,壁側心外膜の肥厚も消失した.胸腔鏡下心膜開窓術は安全かつ確実な心囊液の排除と組織の採取に有用であり,ステロイド剤を併用することで収縮性心膜炎への移行を予防できる可能性がある.</p>

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参考文献 (12)*注記

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