免疫組織化学的検討にて診断し得た副腎アデノマトイド腫瘍の1例

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タイトル別名
  • A CASE OF ADRENAL ADENOMATOID TUMOR DIAGNOSED BY IMMUNOHISTOCHEMICAL EVALUATION
  • 症例報告 免疫組織化学的検討にて診断し得た副腎アデノマトイド腫瘍の1例
  • ショウレイ ホウコク メンエキ ソシキ カガクテキ ケントウ ニテ シンダン シエタ フクジン アデノマトイド シュヨウ ノ 1レイ

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抄録

<p>アデノマトイド腫瘍は中皮細胞由来の良性腫瘍で,副腎に発生する症例は非常にまれであり,術前の検査や画像診断のみで副腎皮質腫瘍や褐色細胞腫と鑑別することは難しい.今回われわれはアデノマトイド腫瘍と診断された左副腎腫瘍の1例を経験したので報告する.症例は52歳,男性で,2年程前から発作性の高血圧を自覚しており,人間ドックのPET-CTで左副腎腫瘍を指摘された.腹部CTでは左副腎に25×15mmの腫瘍を認め,早期相で腫瘍辺縁に造影効果があり,後期相で腫瘍全体が淡く造影され,典型的な副腎皮質腺腫や褐色細胞腫とは異なる所見であった.血中内分泌検査は副腎皮質および髄質機能とも正常であったが,24時間蓄尿による検査では副腎皮質および髄質機能とも基準値を超えていた.131I-MIBGシンチと術前フェントラミン試験が陰性であることを確認した後,腹腔鏡下左副腎摘出術を施行した.病理組織学的所見は不規則な管腔様の構造が副腎内に認められ,これらの管腔を構成している細胞はサイトケラチン,カルレチニンが陽性で,Steroidogenic factor-1は陰性であった.以上の結果より,本症例を左副腎に発生したアデノマトイド腫瘍と診断した.副腎アデノマトイド腫瘍は病理組織学的に副腎皮質腺腫や癌,リンパ管腫,血管腫,血管肉腫,転移性腺癌などとの鑑別が問題になることがあり,その際は免疫組織化学的検査が重要となる.</p>

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