尿管結石の自排予測因子としての結石最大径の再考~超音波計測最大径6 mmは自排の可否基準になりうる~

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タイトル別名
  • CLINICAL FACTORS ASSOCIATED WITH SPONTANEOUS PASSAGE OF URETER STONES IN CONSERVATIVE MANAGEMENT: 6 mm IN MAXIMAL STONE SIZE MEASURED BY ULTRASONOGRAPHY CAN BE A PREDICTIVE BORDER
  • ニョウカン ケッセキ ノ ジハイヨソク インシ ト シテ ノ ケッセキ サイタイケイ ノ サイコウ : チョウオンパ ケイソク サイタイケイ 6mm ワ ジハイ ノ カヒ キジュン ニ ナリ ウル

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抄録

<p> (目的) 尿管結石の保存的治療でどれ位の大きさの結石をいつまで観察するのか具体的な指針は未だ確立されていない.尿管結石の自然排石(自排)に関与する因子を解析し,その指標を明らかにすることを目的とした.</p><p> (対象と方法) 2009年4月から2013年5月までの50カ月間に当院泌尿器科を受診し,内服治療あるいは経過観察で自排を期待し発症から30日以内の自排の有無が確認できた尿管結石521例.全例超音波検査で結石最大径,結石部位,水腎症の有無・程度,結石の有無を評価し,年齢,性別,患側,体容積指数(BMI),内服治療と共に検討した.結石累積残存曲線で自排に関与する因子を統計学的に検定した.</p><p> (結果) 結石累積残存曲線で,50%自排期間は結石最大径が6.0mm以下で15.7日・6.1mm以上で21.8日,結石部位が上部で28.8日・中部以下で15.6日(いずれもP<0.01)であった.また結石最大径1mm毎に群分けを行うと6mmを境界とした場合のみ統計学的有意差が得られた.30日自排の2群比較においても,結石最大径と結石部位の2つが自排に関わる独立した因子であった.</p><p> (結論) 尿管結石の自排期待療法において,結石最大径と結石部位の2つが自排に影響する独立した因子であることが統計学的に改めて示された.とくに超音波計測による結石最大径が6mmを越えると自排が不良となる可能性が統計学的に初めて示された.</p>

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参考文献 (22)*注記

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