巨大海台をつくる基盤溶岩の掘削成果

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タイトル別名
  • Results of Basement Drilling on Oceanic LIPs
  • キョダイカイダイ オ ツクル キバン ヨウガン ノ クッサク セイカ

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抄録

<p>21世紀に入ってから,2つの海洋LIPs(オントンジャワとシャツキー海台)で基盤溶岩を採取する掘削が行われた.基盤溶岩は大陸洪水玄武岩の塊状層状溶岩流と類似していた.元来,両LIPsはプルーム頭部がプレート境界に衝突して生産されたと考えていたが,40Ar-39Ar年代は熱プルームモデルから想定されるよりも長期間の活動を示した.岩石学的に見積もられたマントルの温度(ポテンシャル温度)も熱プルームモデルから期待される温度(>400°C)よりは低温であった.両LIPs溶岩には様々に肥沃化した微量元素および同位体組成が認められ,これはプルームに起源を持つことを示していが,明瞭な下部マントルの特徴(例えば,高3He/4He比)は確認できなかった.また両LIPsの形成後の沈降量は熱プルームモデルから推定される値に比べると少ないことが分かった.単純な熱プルームモデルでは,両LIPsのマグマ成因を説明できなく,まだ沢山の課題が残っていることが分かった.</p>

収録刊行物

  • 地質学雑誌

    地質学雑誌 123 (4), 207-223, 2017-04-15

    一般社団法人 日本地質学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (111)*注記

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