Warning leak による症候性脳血管攣縮で発症した破裂脳動脈瘤の1 例

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タイトル別名
  • Diagnosis of symptomatic cerebral vasospasm after subarachnoid hemorrhage with minor blood leakage: a case report

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抄録

<p>一般に破裂脳動脈瘤によるくも膜下出血で脳血管攣縮は,血腫量に依存し血腫が多い程,脳血管攣縮の頻度は高い.したがって警告出血での脳血管攣縮の発生は稀であるとされる.一方ラットのvasospasm model の血腫の大槽内注入によるdouble hemorrhage model では高率に脳血管攣縮をひき起こす.今回2 回の頭痛後,脳血管攣縮により左前脈絡叢動脈領域の脳梗塞を発症し診断された破裂動脈瘤を経験したので報告する.患者は37 歳男性,構音障害,右片麻痺の脳梗塞にて紹介入院.頭部MRI/A にて左M1 の狭窄と穿通枝梗塞を認め,血管撮影で左IC-PC 動脈瘤を認めた.頭部CT でSAH は認めず,頭部MRI にて迂回槽にわずかな血腫を認めた.慢性期に開頭クリッピング術施行.くも膜は黄色で肥厚し,IC-PC に破裂動脈瘤を認めた.本例は警告出血でも繰り返す場合は脳血管攣縮の発生を示唆する貴重な症例と考えられた.</p>

収録刊行物

  • 脳卒中

    脳卒中 39 (4), 282-286, 2017

    一般社団法人 日本脳卒中学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (15)*注記

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