IgG4関連疾患-臨床研究と基礎研究のコラボレートから病態解明へのアプローチ-

書誌事項

タイトル別名
  • IgG4-related disease –Mechanistic insights from both clinical and immunologic understanding of this condition–
  • IgG4-related disease—mechanistic insights from both clinical and immunologic understanding of this condition

この論文をさがす

抄録

<p>  IgG4関連疾患は,高IgG4血症と罹患臓器へのIgG4陽性形質細胞の著明な浸潤,特徴的な花筵用線維化ならびに閉塞性静脈炎を呈する慢性炎症性疾患である.現在その治療にはステロイドが第一選択薬で有効である反面,再燃しやすいことも広く知られている.そして再燃例などの重症例にはリツキシマブなどの生物学的製剤の有効性が立証されている.IgG4関連疾患に関する重要なMechanistic-insightsの多くが,リツキシマブ治療により寛解した臨床研究の経験から得られている.欧米では既にこれらの治療による多くの知見があり,最先端の科学技術による基礎研究とのコラボレートによる研究成果が報告されている.実際に,米国のRagon Institute of MGH, MIT, and HarvardとMassachusetts General Hospital(MGH)との共同研究により,最近になってIgG4関連疾患患者の病態形成における5つの重要な知見が報告されている.1)IgG4+形質芽細胞とCD4+細胞障害性T細胞(CD4+cytotoxic T lymphocyte: CD4+CTLs)がクローナルに増殖.2)罹患臓器にCD4+CTLsが多数浸潤.3)組織のCD4+CTLsは細胞障害性・炎症性サイトカインを産生.4)リツキシマブ治療によるCD4+CTLs細胞数の減少は臨床的寛解と相関.5)IL-4+濾胞性ヘルパーT細胞(T follicular helper T: TFH)が濾胞外に多数浸潤し,IgG4へのクラススイッチに関与.これらの事実より活性化した形質芽細胞,CD4+CTLs, TFH細胞のクロストークがIgG4関連疾患の特異な病態を形成しているものと推察される.</p>

収録刊行物

被引用文献 (4)*注記

もっと見る

参考文献 (1)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ