銅系木材保存剤を加圧注入した杭の耐朽性（２）地際部で分離された担子菌の木材腐朽力と銅耐性

酒井 温子, 喜友名 朝彦, 二宮 真也

doi:10.5990/jwpa.43.131

銅系木材保存剤を加圧注入した杭の耐朽性（２）地際部で分離された担子菌の木材腐朽力と銅耐性

DOI 日本農学文献記事索引 Web Site Web Site 参考文献1件

酒井温子

奈良県森林技術センター現　奈良県農林部
喜友名朝彦

株式会社テクノスルガ・ラボ
二宮真也

株式会社テクノスルガ・ラボ

書誌事項

タイトル別名

Decay resistance of wood stakes impregnated with preservatives containing copper（2）Properties of wood-decay and copper-resistance of basidiomycetous fungi isolated from the parts near the ground.
ドウケイモクザイホゾンザイオカアツチュウニュウシタクイノタイキュウセイ(2)チサイブデブンリサレタタンシキンノモクザイフキュウリョクトドウタイセイ

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抄録

銅系保存剤で処理され13年以上接地暴露されたスギ辺材杭の地際部から，６菌株の担子菌が分離された。これらを培養瓶内で生育させ，そこに硫酸銅を含有させたスギ辺材試験体を入れて12週間培養したところ，４菌株では銅の損失は８～18％であったが，Asuka N 株では24％，Asuka J 株では51％の銅が試験体から失われた。また，両菌株で培養された試験体の表面には，濃い緑色の物質が形成されていた。これらの結果から，この２菌株は，試験体中の銅の一部を外部に移動させたと考えられた。このような銅運搬能力のある担子菌の活動は，銅系保存剤で処理された杭の耐用年数に影響を及ぼしている可能性がある。