凝集フローテーションによる水中塩基性薬物の迅速捕集

• 大谷 裕介

  北見工業大学大学院工学研究科バイオ環境化学専攻

• 吉岡 奏子

  北見工業大学工学部地球環境工学科

• 岡田 亮平

  名古屋大学工学部物理工学科

• 齋藤 徹

  北見工業大学工学部地球環境工学科

書誌事項

タイトル別名

• Rapid Collection of Basic Drugs in Water by a Coagulation-flotation Method
• ギョウシュウ フローテーション ニ ヨル スイチュウ エンキセイ ヤクブツ ノ ジンソクホシュウ

抄録

水中塩基性薬物及び有機色素の迅速・簡便かつ高倍率濃縮のための凝集フローテーション法を設計した．試料水中にアニオン界面活性剤ドデシル硫酸ナトリウム（SDS）及びカチオン性高分子電解質ポリアリルアミン塩酸塩（PAH）を加え，気泡を送り込むと，水面上に凝集物が生成し，水中の抗うつ剤や抗アレルギー剤等の塩基性薬物が一斉に捕集され，塩基性薬物の捕集率は疎水性の増加につれて増大した．試料水1 LにSDS 20 mg及びPAH 6.5 mgを添加し，気泡を送り込むことにより，5分以内に塩基性薬物及び有機色素マラカイトグリーンが定量的（＞99％）に捕集された．これに対して，酸性薬物はほとんど捕集されず，本法は塩基性薬物に対して選択的であった．凝集物を容器内壁のPTFE-シートに付着させ，エタノールに溶解した溶液を5 mLまたは1 mLに定容することにより，200倍または1000倍濃縮が達成された．環境水中のサブμg L⁻¹レベルの塩基性薬物の高速液体クロマトグラフィー（HPLC）分析及びマラカイトグリーンの吸光分析への適用性が示された．

収録刊行物

• 分析化学

  分析化学 66 (8), 557-562, 2017

  公益社団法人 日本分析化学会

キーワード

• flotation
• coagulation
• surfactant
• polyelectrolyte
• basic drugs

詳細情報

• CRID: 1390282679637075712
• NII論文ID: 130006063807
• NII書誌ID: AN00222633
• DOI: 10.2116/bunsekikagaku.66.557
• NDL書誌ID: 028488377
• ISSN: 05251931
• Web Site: http://id.ndl.go.jp/bib/028488377
• Web Site: https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R000000004-I028488377
• Web Site: https://www.jstage.jst.go.jp/article/bunsekikagaku/66/8/66_557/_pdf
• 本文言語コード: ja
• データソース種別:
  • JaLC
  • NDL
  • Crossref
  • CiNii Articles
  • KAKEN
• 抄録ライセンスフラグ: 使用不可