Nivolumabの治療中に抗サイログロブリン抗体の陽転化を伴う甲状腺機能異常を認めた非小細胞肺癌の2例

• 吉原 実鈴

  名古屋市立西部医療センター呼吸器腫瘍センター・呼吸器内科

• 木村 了介

  名古屋市立西部医療センター内分泌・糖尿病内科

• 國井 英治

  名古屋市立西部医療センター呼吸器腫瘍センター・呼吸器内科

• 森 祐太

  名古屋市立西部医療センター呼吸器腫瘍センター・呼吸器内科

• 堀内 実

  名古屋市立西部医療センター呼吸器腫瘍センター・呼吸器内科

• 秋田 憲志

  名古屋市立西部医療センター呼吸器腫瘍センター・呼吸器内科

書誌事項

タイトル別名

• Two Patients with Non-small Cell Lung Cancer Developed Thyroid Dysfunction Accompanied by the Emergence of Anti-thyroglobulin Antibodies During Nivolumab Therapy

抄録

背景．Nivolumabは非小細胞肺癌の2次治療として標準治療の1つと考えられているが，様々な免疫関連有害事象を発症することが知られている．甲状腺機能異常もその1つで，臨床像は多彩であり発症機序などは明らかではない．症例．症例1は47歳男性．肺腺癌cT1bN2M1b stage IV．脳転移巣摘出後に化学療法を施行．3次治療としてNivolumabを開始．症例2は66歳男性．肺扁平上皮癌cT1bN0M0 stage IBの診断で切除術施行．再発後に化学療法を開始し，4次治療としてNivolumabを開始．症例1，2ともにNivolumab治療により，TSHの減少とFT3とFT4および抗サイログロブリン抗体（TgAb）の増加を認め，無症候性甲状腺炎の臨床像を呈した．Nivolumabを継続し腫瘍は著明に縮小した．結論．Nivolumabによる甲状腺機能異常の中で，抗甲状腺自己抗体としてTgAbのみが出現した場合に無症候性甲状腺炎として発症する可能性があり，早い段階で診断するために甲状腺機能の定期的な評価を行うことが勧められると考えられた．

収録刊行物

• 肺癌

  肺癌 57 (4), 308-314, 2017

  特定非営利活動法人 日本肺癌学会

キーワード

• Nivolumab
• 非小細胞肺癌
• 甲状腺機能異常
• 抗サイログロブリン抗体
• 無症候性甲状腺炎

詳細情報

• CRID: 1390001204683121536
• NII論文ID: 130006069545
• DOI: 10.2482/haigan.57.308
• ISSN: 13489992
• ISSN: 03869628
• Web Site: https://www.jstage.jst.go.jp/article/haigan/57/4/57_308/_pdf
• Web Site: https://search.jamas.or.jp/link/ui/2017342942
• 本文言語コード: ja
• データソース種別:
  • JaLC
  • Crossref
  • CiNii Articles
• 抄録ライセンスフラグ: 使用不可