経産乳牛へのウシラクトフェリン給与による分娩後の反芻胃内リポ多糖活性の上昇抑制

書誌事項

タイトル別名
  • Rumen lipopolysaccharide activity is suppressed by bovine lactoferrin feeding in dairy cows during dry and lactation periods
  • ケイサン ニュウギュウ エ ノ ウシラクトフェリン キュウヨ ニ ヨル ブンベン ゴ ノ ハンスウイ ナイ リポ タトウ カッセイ ノ ジョウショウ ヨクセイ

この論文をさがす

抄録

<p>分娩前後の経産乳牛にウシラクトフェリン(LF)の給与が反芻胃内pH, リポ多糖(LPS)活性,および代謝機能に及ぼす影響を検討した.分娩前3週から分娩後12週まで,LF(10g/日)添加区と無添加(対照)区に各12頭を配置した.乾乳期はTDN充足率を120%に,泌乳期は粗濃比3 : 7,NDF含量33%の飼料を給与した.無線伝送式pHセンサーを17頭に投入し反芻胃内pHを測定すると,LF給与に関係なく全頭分娩後に6.1以下を示す時間数が増加した.潜在性ルーメンアシドーシス(SARA)発生は対照区4/7頭,添加区8/10頭であり(P<0.59),LF給与はSARA発生には影響しないと考えられた.また,添加区では,胃液LPS活性が12週で対照区より低くなった(P<0.05)が,血漿LPS結合蛋白(LBP)濃度は同程度であった.以上より,分娩前後の経産乳牛へのLF給与は,分娩後に反芻胃内LPS活性の上昇を緩和することが明らかになった.しかし,反芻胃内pH, SARA発生,および血漿中LBP濃度への影響は認められなかった.</p>

収録刊行物

  • 日本畜産学会報

    日本畜産学会報 88 (3), 293-302, 2017

    公益社団法人 日本畜産学会

参考文献 (1)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ