本邦における2013,2014年の心臓血管外科手術の現状:日本心臓血管外科手術データベース(JCVSD)からの報告

  • 中野 清治
    日本心臓血管外科手術データベース機構 東京女子医科大学東医療センター心臓血管外科
  • 平原 憲道
    日本心臓血管外科手術データベース機構 慶應義塾大学医学部医療政策・管理学
  • 本村 昇
    日本心臓血管外科手術データベース機構 東邦大学医療センター佐倉病院心臓血管外科
  • 宮田 裕章
    日本心臓血管外科手術データベース機構 慶應義塾大学医学部医療政策・管理学
  • 髙本 眞一
    日本心臓血管外科手術データベース機構 三井記念病院

書誌事項

タイトル別名
  • Current Status of Cardiovascular Surgery in Japan, 2013 and 2014 : A Report based on the Japan Cardiovascular Surgery Database (JCVSD)
  • 4. 心臓弁膜症手術
  • 4. Valvular Heart Surgery

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抄録

<p>[目的]本邦における,弁位別,年代別の手術死亡率,治療法の選択,特に機械弁,生体弁の使用比率を明確にするとともに,術前合併症の影響に関しても検討を加える.[方法]日本心臓血管外科手術データベース(JCVSD)より,2013年,2014年の弁膜症のデータを使用した.大動脈弁位(A群),僧帽弁位(M群),三尖弁位(T群)にわけ,A群では機械弁,生体弁の2群にM群,T群では機械弁,生体弁,弁形成の3群に分け,年代別の検索を行った.二弁置換(AVR+MVR)例は除外した.また,慢性透析,肝機能障害,心房粗細動例においても同様の解析を行った.[結果]A群では機械弁の比率は23.1%であった.M群では66.6%に弁形成が行われ弁置換群では機械弁の比率は40.5%であった.T群では弁置換は全体の3.0%にすぎず,そのうち機械弁は11.4%であった.慢性透析患者では非透析例に比べ,概して機械弁の比率が高く,AVRで35.0%,MVR 51.4%であった.手術死亡率はA群では全体で4.3%,慢性透析 11.7%,肝機能障害 15.8%,心房粗細動 5.6%,M群では全体で4.0%,慢性透析 14.4%,肝障害 11.2%,心房粗細動 4.1%であった.[結語]本邦における,弁位別,年代別の機械弁,生体弁の使用比率が明確となった.また,慢性透析患者では機械弁の比率が非透析患者に比べ高かった.</p>

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被引用文献 (1)*注記

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