透析導入期にヘパリンフラッシュを誘因としてヘパリン起因性血小板減少症を発症した肝硬変合併慢性腎臓病患者の1例

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タイトル別名
  • A case of heparin-induced thrombocytopenia precipitated by heparin flushes in a chronic kidney disease patient with cirrhosis
  • 症例報告 透析導入期にヘパリンフラッシュを誘因としてヘパリン起因性血小板減少症を発症した肝硬変合併慢性腎臓病患者の1例
  • ショウレイ ホウコク トウセキ ドウニュウキ ニ ヘパリンフラッシュ オ ユウイン ト シテ ヘパリン キインセイ ケッショウバン ゲンショウショウ オ ハッショウ シタ カンコウヘン ガッペイ マンセイ ジンゾウビョウ カンジャ ノ 1レイ

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抄録

<p>症例は67歳男性. アルコール性肝硬変に合併したIgA腎症に対しステロイド治療中に連鎖球菌菌血症を発症. 慢性腎不全が増悪し血液透析を導入. 透析導入前に末梢カテーテルフラッシュのためヘパリン (100単位/日) が4週間使用されていた. 透析時の抗凝固薬に未分画ヘパリンが使用されたが, 血小板減少を伴い, 初回から回路内凝血を反復. 抗血小板第4因子/ヘパリン複合体IgG抗体・機能性試験がともに陽性で, 急速発症型ヘパリン起因性血小板減少症 (HIT) と診断された. 肝硬変ではアルガトロバンの代謝が遅延するが, 本例ではアルガトロバン7.5mgを透析開始時のみ投与して4時間の血液透析を行った. 明らかな動静脈血栓症はなく, 出血リスクを考慮して透析時以外にアルガトロバンの持続投与は行わなかった. 末期腎不全患者では透析導入前にヘパリンへの曝露があることも多く, 透析導入期に血小板減少を伴う回路凝血を反復する症例では早期にHITを想起すべきである.</p>

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参考文献 (23)*注記

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