全自動尿中有形成分分析装置UF-5000による尿中グラム陽性菌/陰性菌弁別判定の評価

DOI
  • 河村 佳江
    金沢医科大学病院中央臨床検査部
  • 飯沼 由嗣
    金沢医科大学病院中央臨床検査部 金沢医科大学臨床感染症学
  • 薄田 大輔
    金沢医科大学病院中央臨床検査部 金沢医科大学臨床感染症学
  • 橋本 綾
    金沢医科大学病院中央臨床検査部
  • 松本 正美
    金沢医科大学病院中央臨床検査部
  • 田中 佳
    金沢医科大学病院中央臨床検査部

書誌事項

タイトル別名
  • Evaluation of automated urine particle analyzer, UF-5000, as a screening tool to identify Gram stainability of urinal pathogens

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抄録

<p>尿路感染症(urinary tract infection;以下UTI)原因菌検索の迅速検査法として尿グラム染色が実施されているが,尿中有形成分分析装置による細菌弁別判定機能の有用性が期待されている。尿中有形成分分析装置UF-5000(以下UF-5000,シスメックス)は,グラム陽性菌/陰性菌を判定する細菌弁別判定機能が標準搭載され,他の有形成分項目とともに約3分で報告可能である。今回,UF-5000細菌弁別判定と従来法のグラム染色,培養同定を比較評価したので報告する。UTIを疑い提出された尿188検体を対象に,UF-5000の結果が分類不能,または測定エラーだった9件を除外した179検体では,グラム染色,培養同定との一致率はそれぞれ83.2%,81.0%だった。一方,グラム染色と培養同定の一致率は85.1%であり,これに近似した良好な結果であった。また,UF-5000がグラム陰性菌と判定した場合の的中率は,グラム染色,培養同定との比較でいずれも93.3%だった。UF-5000と他2法が不一致だった検体では,細菌スキャッタグラムドット分布を目視判定すると他2法と一致,装置アルゴリズム判定では不一致となる検体があった。UF-5000細菌弁別判定による尿グラム染色性の迅速報告は,UTI原因菌のスクリーニング検査法として有用であると考えられた。</p>

収録刊行物

  • 医学検査

    医学検査 66 (5), 516-523, 2017

    一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会

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