P1-28 花粉症や川崎病(KD)以外の花粉惹起(誘導)疾患(Pollen-Induced Diseases: PID)の多様性探索:他の血管炎や膠原病等,ウイルス性・薬剤性皮膚病の花粉被曝後免疫parameterの推移

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抄録

<p>  著者は1991~02年の神奈川県KD患者6千人と花粉飛散数の年次動態の交差相関解析/回帰分析によりKDは,遅延型過敏性のPIDであり花粉被曝→免疫→花粉再感作→遅延型過敏反応のゆっくりとした亢進→全身性血管炎の発症という過程が,インフルエンザ流行期,介入を受けて発症が抑制される現象も指摘した(4報).そしてKDの様に全身的皮膚病変,cytokine stormの如き激烈な発熱病態を呈するPIDだけでなく,より軽い症状を呈する,花粉飛散時期以降に連動して患者数が増加する従来virus感染症と言われて来た,手足口病(HFMD),伝染性紅斑(EI)等夏風邪や無菌性髄膜炎(AM)等にもPID的要素があると考え,疫学data集積に腐心した.【解析方法・結果・考察】87~10年の東京都週報告の患者数と,同期間の東京都12地点平均花粉数および91~05年の相模原病院観測花粉数の関係を,交差相関解析,多項分布モデル,線形or一般化線形モデル(ポアソン回帰)の統計手法を用いて解析した.東京都の年間の花粉data欠如期間が長く東京都7地点と近傍の相模原の周年dataが有用であった.HFMDは1,2歳の発症が主であるがAMは調査定点が10分の1と少なく又10歳未満と10歳以上の割合が半々と分布が広範である.花粉数と患者数の分割表で,予測力の高いモデルをAIC(赤池情報量基準)に基づいて選択した.HFMD患者数は3,4か月前,AMは4,5か月前の花粉数と連動することが示された.花粉被曝げっ歯類の易感染性惹起の検討必須.</p>

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