頸椎症性神経根症に対する円筒レトタクターを用いた顕微鏡下椎間孔拡大術/ヘルニア摘出の治療経験

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抄録

[はじめに]我々は低侵襲で安全な後方除圧手術を目指して,頸椎症性神経根症に対する円筒レトタクターを用いた顕微鏡下椎間孔拡大術/ヘルニア摘出を施行したので報告する.[対象]男性9例,女性3例の12症例である.手術時平均年齢62歳(49-78歳),平均経過観察期間は12ヶ月(5-29ヶ月)であった.術前診断は頸椎椎間板ヘルニア:6例,頸椎椎間孔狭窄:3例,神経根性筋萎縮症:3例であった.障害神経根はC5神経根:2例,C6:6例,C7:4例,C8:4例であった.4例で2椎間除圧を行った.[結果]平均手術時間は1椎間あたり141分,術中出血量は49 mlであった.1例で術後に一過性のC5神経根麻痺が生じた.上肢痛は術直後から全例で改善したが,しびれは残存傾向であった.術後の頚部痛の訴えは全例で認めなかった.[結語]円筒レトタクターを用いた顕微鏡下椎間孔拡大術/ヘルニア摘出は比較的安全で創部痛が少なく低侵襲であった.

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