神経鞘腫の混在した虫垂粘液嚢胞腺癌の巻絡による絞扼性腸閉塞の1例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Strungulated Obstruction Squeezed by Mucinous Cystadenocarcinoma of the Appendix Coexisted with an Appendicular Schwannoma
  • 症例 神経鞘腫の混在した虫垂粘液囊胞腺癌の巻絡による絞扼性腸閉塞の1例
  • ショウレイ シンケイ サヤ シュ ノ コンザイ シタ チュウスイ ネンエキノウホウセンガン ノ カンラク ニ ヨル コウヤクセイ チョウ ヘイソク ノ 1レイ

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抄録

神経鞘腫の混在した虫垂粘液嚢胞腺癌の巻絡による絞扼性腸閉塞の1例を経験したので報告する.症例は80歳の男性で,2016年7月,腹痛と嘔吐を主訴に近医を受診し,腸閉塞の疑いで当科に紹介となった.腹部は膨満しており,腹部全体に軽度の圧痛を認めたが,腹膜刺激症状は認めなかった.CT所見では,回腸はclosed loopを形成し,腸管との連続性をはっきり追求できない造影効果不良な腫瘤像を認めた.何らかの索状物による絞扼性腸閉塞と考え,緊急手術を施行した.虫垂先端は腫大し,虫垂自体が回腸に巻絡し絞扼性腸閉塞を発症していた.回腸は血流障害のみで腸管壊死には至っておらず,回腸は温存し,虫垂切除術を施行し手術を終了した.術後病理検査で,神経鞘腫の混在した虫垂粘液嚢胞腺癌の診断で,2016年9月,回盲部切除術を施行した.絞扼性腸閉塞の場合,虫垂自体が絞扼帯となり得ることを念頭に置くべきであると考えられた.

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参考文献 (16)*注記

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