インドネシア共和国東カリマンタン州バリクパパン近郊の低地で採集された糞虫(鞘翅目:コガネムシ上科食糞群)のリスト

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  • List of dung beetles (Coleoptera : Coprophagous group of Scarabaeoidea) collected in lowland near Balikpapan, East Kalimantan, Indonesia

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抄録

糞虫(コガネムシ上科食糞群)は熱帯において生息地の質の有用な指標者である。インドネシア共和国東カリマンタン州の低地、バリクパパンの北10~ 40kmの地域において、2006年から2008年の12月に、人糞と魚肉を誘引餌としたピットフォールトラップによる糞虫採集を30カ所で行った。65種8,073個体の糞虫が捕獲され、そのリストを表に示した。糞虫群集を用いて森林環境を評価する今後の研究への有用な資料を提供するために、5個体以上捕獲された44種の食性と生息地選好性を評価した。44種のうち、41種は人糞と魚肉の両方で採集された。8種はどちらかの誘引餌へ偏りが70%を超えず、そのうちの5種はボルネオ島固有種であった。生息地については、36種が天然林に多く、人為的荒廃林、植林地と開放地でほとんど捕獲されなかったが、例外の7種はそういった生息地にも多かった。Catharsius renaudpauliani は荒廃林と植林地を主な生息地とする唯一の種と考えられた。開放地に多い7種は、天然林でほとんど捕獲されなかった。天然林に多い種は分布域が狭い傾向があったのに対し、開放地に多い種は分布域が広い傾向があった。

収録刊行物

  • 森林総合研究所研究報告

    森林総合研究所研究報告 16 (2), 109-119, 2017

    国立研究開発法人森林研究・整備機構 森林総合研究所

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