スガマデクス投与後に過敏反応が出現した3例

DOI
  • 島津 玲奈
    昭和大学藤が丘病院麻酔科
  • 西村 晶子
    昭和大学歯学部全身管理歯科学講座歯科麻酔科学部門
  • 篠原 茜
    昭和大学歯学部全身管理歯科学講座歯科麻酔科学部門
  • 加藤 紫
    昭和大学歯学部全身管理歯科学講座歯科麻酔科学部門
  • 河内 亜希
    昭和大学歯学部全身管理歯科学講座歯科麻酔科学部門
  • 飯島 毅彦
    昭和大学歯学部全身管理歯科学講座歯科麻酔科学部門

書誌事項

タイトル別名
  • Three Cases of Suspected Sugammadex-induced Hypersensitivity Reactions

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抄録

<p> 【要約】 スガマデクスはγ-シクロデキストリンの異性体で, ロクロニウム臭化物による筋弛緩からのすみやかな回復が得られることから頻用されている薬剤であるが, アナフィラキシーなどの過敏反応の報告も多い. 今回, スガマデクス投与後に薬物アレルギーを認めた3例を, 昭和大学歯科病院における最近1年間のスガマデクス投与症例および近年の症例報告と比較して報告する. 3例とも抜管前にスガマデクス (2.0~3.6mg/kg) を投与し投与後4分以内にアレルギー反応が生じた. 重症例では収縮期血圧60mmHg以下の低血圧と顔面から頸部, 前胸部, 上肢の発赤を生じたが, 自発呼吸は安定しており喘鳴も聴取せず, アドレナリン5μg投与後に症状は改善した. 他の2症例は皮膚症状のみで循環器症状と呼吸器症状を認めずアドレナリンの投与も行わなかった. スガマデクスによる過敏反応は日本からの報告が多く, 昭和大学歯科病院においてもスガマデクスを投与した494症例のうち3例 (0.61%) で過敏反応を認めた. アナフィラキシーの原因はスガマデクス自身によるものか筋弛緩薬との包接体によるものかは明らかではないが, 筋弛緩モニターを使用して包接体を形成する以上の投与を避けるとともに, 投与後は過敏反応が発症する可能性があることを念頭において皮膚症状および循環動態を観察することが必要である.</p>

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