食道癌分割手術経過中食道瘻周囲皮膚に発症した壊死性軟部組織感染症の1例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Necrotizing Soft Tissue Infections Developed in the Skin Around the Esophageal Fistula during Staged Operations for Esophageal Cancer
  • 症例 食道癌分割手術経過中食道瘻周囲皮膚に発症した壊死性軟部組織感染症の1例
  • ショウレイ ショクドウ ガン ブンカツ シュジュツ ケイカ チュウショクドウロウシュウイ ヒフ ニ ハッショウ シタ エシセイナンブ ソシキ カンセンショウ ノ 1レイ

この論文をさがす

抄録

食道癌術後に連鎖球菌と黄色ブドウ球菌の混合感染による皮膚の壊死性軟部組織感染症を発症した症例を報告した.デブリドマンと強力な抗菌薬が奏効した.症例は80歳の男性,術前の上気道細菌検査で連鎖球菌,黄色ブドウ球菌などの保菌が確認された.第一期手術として右開胸開腹食道亜全摘・胸壁前胃管挙上,頸部食道瘻,胃瘻造設術を行った.術後1週に食道瘻周囲に軽度の炎症を認めた.術後5週には食道瘻周囲皮膚が壊死に陥り,次第に広がった.デブリドマンと陰圧閉鎖療法(VAC®)を行うも壊死の進行は止まらなかった.周囲に炎症を伴う広汎な壊死は皮膚と皮下組織に限局していた.皮膚の壊死性軟部組織感染症と診断し,術後8週から強力な抗菌薬を使用した.10日間程度の抗菌薬治療で,創部から連鎖球菌と黄色ブドウ球菌が消失すると共に皮膚壊死の進行も止まった.術後13週で第二期手術,食道胃吻合術を行い,術後17週で退院した.

収録刊行物

参考文献 (8)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ