平成28年熊本地震における医療機関の事業継続の実態と課題

書誌事項

タイトル別名
  • CURRENT STATUS AND PROBLEMS OF BUSINESS CONTINUITY OF MEDICAL INSTITUTION IN THE 2016 KUMAMOTO EARTHQUAKES

抄録

大規模災害発生時には,医療機関では通常の入院診療等に加えて,災害医療への対応も求められることとなる.災害時の限られた資源でも事業を継続する必要があることから,事業継続計画(BCP)への取り組みが求められてきている.本研究では,平成28年熊本地震の被災事例から医療機関BCPに必要な要素と課題を抽出する.平成28年熊本地震では前震,本震の2度の大きな揺れと断続的に続く余震により,多くの病院で深刻な被害が生じ,入院患者を他の病院に転院させざるを得ない医療機関もあった.被災した医療機関に対し,初動対応から事業継続への取り組みについてヒアリング調査を実施し,BCPを検討する上で必要となる被災事例の情報収集を行い,医療機関のBCPを検討する上で必要な考え方や要素について考察を行った.その結果,医療機関のBCPには,トリアージ等の初動対応の検討だけでなく,ハード,ソフト,スキルの事前対策,事後対応として病院避難を含めた代替戦略や受援体制を検討しておく重要性を示した.そして,それらを補い、機能させるための平常時からの地域連携の必要性を指摘した.

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参考文献 (1)*注記

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