閉塞性肺炎にて発見され,軟性気管支鏡下に切除した気管支内脂肪腫性過誤腫の1例

DOI
  • 吉田 久美子
    山口宇部医療センター呼吸器外科 山口大学大学院器官病態外科学呼吸器外科
  • 田中 俊樹
    山口宇部医療センター呼吸器外科 山口大学大学院器官病態外科学呼吸器外科
  • 田尾 裕之
    山口宇部医療センター呼吸器外科
  • 岡部 和倫
    山口宇部医療センター呼吸器外科

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Endobronchial Lipomatous Hamartoma with Obstructive Pneumonia

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抄録

<p>背景.気管支内過誤腫の中には,脂肪成分に富み脂肪腫との鑑別が難しいものがある.生検での確定診断が得にくいことから,悪性を懸念してしばしば外科的切除が施行されてきた.症例.69歳,男性.風邪症状を契機に撮影されたCTで,右中下葉の肺炎像と右中間気管支幹内腔を閉塞する腫瘤影を認めた.画像所見から良性腫瘍を疑い,軟性気管支鏡下腫瘍切除を行った.術中迅速組織診断では脂肪腫が疑われたが,永久病理組織検査の結果,気管支内脂肪腫性過誤腫と診断された.結論.本症例の組織像では脂肪細胞以外に気管支腺組織を構成成分として認め,これが脂肪腫との鑑別点となった.本疾患に対する気管支鏡下治療の有効性と安全性に関しては,いくつかの報告がある.画像上良性腫瘍が疑われる場合は本疾患を疑い,診断と治療を兼ねて気管支鏡下切除術を検討するのが良いと考えられる.</p>

収録刊行物

  • 気管支学

    気管支学 40 (1), 45-49, 2018

    特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会

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