侵襲時の栄養代謝動態の変化と早期運動介入の効果

  • 苛原 隆之
    京都大学大学院医学研究科初期診療・救急医学分野 日本医科大学大学院医学研究科救急医学分野 京都大学大学院農学研究科食品生物科学専攻栄養化学分野
  • 佐藤 格夫
    京都大学大学院医学研究科初期診療・救急医学分野
  • 大嶽 康介
    京都大学大学院医学研究科初期診療・救急医学分野 日本医科大学大学院医学研究科救急医学分野
  • 邑田 悟
    京都大学大学院医学研究科初期診療・救急医学分野
  • 播摩 裕
    京都大学大学院医学研究科初期診療・救急医学分野
  • 柚木 知之
    京都大学大学院医学研究科初期診療・救急医学分野
  • 石原 健吾
    龍谷大学農学部食品栄養学科
  • 伏木 亨
    龍谷大学農学部食品栄養学科
  • 井上 和生
    京都大学大学院農学研究科食品生物科学専攻栄養化学分野
  • 横田 裕行
    日本医科大学大学院医学研究科救急医学分野
  • 小池 薫
    京都大学大学院医学研究科初期診療・救急医学分野

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抄録

 侵襲時の栄養療法に関しては,種々のガイドラインが作成されているものの詳細はいまだ不明瞭な部分が多い.また運動介入についても近年ICUAW 予防としての意義が注目されているが,早期の運動介入が代謝や生存率に与える効果についての報告はない.本研究ではマウス敗血症モデルを用いて間接熱量測定および尿中窒素測定により栄養代謝動態の変化を調べ,敗血症の重症度・時期による糖質・脂質・タンパク質の三基質の代謝動態の変化を明らかにした.また低強度の運動介入による効果についても調べ,急性期の低強度運動によりPGC-1α(Peroxisome proliferator-activated receptor gamma coactivator 1-alpha)が活性化された結果,内因性脂肪利用が上昇して脂質代謝が改善することが転帰改善に寄与していることが示唆された.早期運動介入が病態そのものに対する治療的効果をもつ可能性があるというのは画期的な知見であり,臨床における重症患者への栄養療法にも応用が期待される.

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