下大静脈血栓症を合併したアメーバ肝膿瘍の1手術症例

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  • Thrombectomy for Inferior Vena Cava Thrombosis Complicating an Amebic Liver Abscess

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抄録

<p>アメーバ肝膿瘍に合併した下大静脈血栓症に対して血栓摘除術を施行した症例を経験したので報告する。症例は50代,男性。発熱,倦怠感と右季肋部痛を主訴に近医を受診し,血液検査で炎症反応が上昇していたため当院へ紹介された。腹部単純CT検査で肝右葉に約10cm大の膿瘍を認め,血清アメーバ抗体価が高値であり,アメーバ肝膿瘍の診断で,ドレナージと抗菌薬による治療を開始した。入院第16病日に施行した腹部造影CT検査で肝膿瘍の増大と肝静脈から下大静脈に伸展する血栓を認めた。また右肺動脈にも血栓を認めた。ヘパリンの投与を開始するも,膿瘍ドレーンからの出血もあり,保存的加療が困難と判断し,入院第18病日に手術を行った。体外循環補助下で下大静脈をクランプし血栓を摘除した。膿瘍は開窓してドレナージした。術後はメトロニダゾール脳症と軽度の胆汁瘻を認めたが,経過はおおむね良好で,術後24病日にリハビリ病院に転院した。</p>

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