経気管支生検を施行した線維形成型悪性胸膜中皮腫の1剖検例

書誌事項

タイトル別名
  • An Autopsy Case of Desmoplastic Malignant Mesothelioma with a Transbronchial Biopsy

この論文をさがす

抄録

<p>背景.気管支鏡検査が悪性胸膜中皮腫の診断契機となることは少ない.症例.70歳代男性.労作時呼吸困難,右背部痛,発熱を訴え受診した.胸部CTで右胸水貯留,右中下葉の虚脱,右壁側胸膜の全周性肥厚,疼痛部に一致した第9肋骨の骨破壊像を認めた.胸水細胞診で悪性細胞はみられず,経皮胸膜生検で病理組織診断を得られなかった.しかし,胸膜病変の肺浸潤が疑われたため経気管支生検を施行し,悪性胸膜中皮腫の診断を得た.線維性結合織中に異型紡錘形細胞を認め,線維形成型悪性胸膜中皮腫(desmoplastic malignant mesothelioma:DMM)が疑われた.病理解剖でDMMと診断し,肺実質への浸潤と胸膜外への広範な転移を確認した.結論.悪性胸膜中皮腫の組織型は様々であり,多彩な画像所見を示す.胸膜病変の肺実質への浸潤が疑われる場合には,経気管支生検の適応も考慮すべきと思われる.</p>

収録刊行物

  • 肺癌

    肺癌 58 (1), 29-34, 2018

    特定非営利活動法人 日本肺癌学会

参考文献 (9)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ