肺転移を伴わない癌性胸膜炎のみを認めた転移性腎細胞癌の1例

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タイトル別名
  • A case of metastatic renal cell carcinoma in carcinomatous pleurisy without lung metastasis

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抄録

<p>症例は70歳女性,咳嗽,呼吸困難にて当院に紹介,CTにて縦隔偏位を伴う左胸水貯留,左胸膜の不整なびまん性肥厚を認めた.胸水細胞診では悪性所見を認めなかった.各種腫瘍マーカーも陰性であった.多量胸水および多発胸膜病変を認めるため悪性胸膜中皮腫や原発性肺癌が鑑別に上がり,胸腔鏡下胸膜生検術を施行した.各種免疫染色にて腎細胞癌もしくは子宮卵巣癌が疑われた.腹部造影CTを施行したところ左腎腫瘍が指摘された.左腎摘出術が施行され,左腎細胞癌の確定診断となった.腎細胞癌の肺転移は時折経験するが本症例のように肺転移を伴わず癌性胸膜炎のみを認めたとの報告は過去に6例のみと非常にまれである.文献的考察を加えて報告する.</p>

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