Spot™ Vision Screenerを導入した小児科と眼科の連携

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  • Cooperation With a Pediatrics Clinic That Had Introduced Spot™ Vision Screener

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抄録

<p>【目的】Spot™ Vision Screener(以下、SVS)を導入した小児科による屈折異常と斜視の検出率を明らかにし、小児科と眼科の連携の有用性を報告する。</p><p>【対象及び方法】対象は平成27年9月~平成28年6月迄に、小児科でSVSを施行した1422例と、そのうち異常値を示し眼科へ紹介受診した47例である。小児科でのSVS全施行者の年齢分布を調べ、47例に眼科精査を行い治療状況について調査した。</p><p>【結果】小児科のSVS施行者1422例(3.2±2.3歳)中、54例(3.8%)に異常が検出された。眼科を受診した54例中47例(87%)のSVSの結果は、乱視47眼、遠視9眼、遠視と乱視2眼、近視と乱視2眼、不同視5例、内斜視が8例であった。</p><p> SVSと検影法の検査ができた41例について屈折値の比較を行うと、球面度数では有意差はみられず、円柱度数はSVSの方が有意に大きく検出された。47例の診断と内訳は、眼鏡処方した24例中、遠視性乱視13例、不同視8例、混合乱視2例、近視性乱視1例、内斜視2例(重複含)であった。経過観察の12例は、遠視性乱視4例、混合乱視7例、近視性乱視1例。治療不要例は11例であった。眼鏡処方を行った24例のうち、3歳児健康診査における視覚検査(以下3歳児健診)前が10例(41.7%)、3歳児健診後の処方は14例(58.3%)であった。この14例中3歳児健診で異常を指摘されたのは3例のみで、11例は異常を指摘されていなかった。この11例の地域では屈折検査は行われていなかった。</p><p>【結論】SVSを導入した小児科との連携により、視覚の感受性が高い時期に早期発見・早期治療を行い、3歳児健診での見逃し例を検出できた。</p>

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