多発充実性陰影を呈した高齢者のAIDS関連ニューモシスチス肺炎の1例

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  • An Elderly Patient's AIDS-related <i>Pneumocystis jirovecii</i> Pneumonia Showing Multiple Massive Opacities: a Case Report

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抄録

<p>背景.後天性免疫不全症候群(acquired immune deficiency syndrome:AIDS)関連ニューモシスチス肺炎(PCP)では,びまん性のスリガラス様陰影を呈することが多い.今回多発充実性陰影を呈した本疾患例を経験した.症例.75歳の女性.約1カ月前より湿性咳嗽を認めた.HRCT所見では右中葉・両側下葉に多発する充実性陰影を認めた.特発性器質化肺炎を念頭に気管支鏡検査を行った.気管支肺胞洗浄液のGrocott染色においてPneumocystis jiroveciiの囊子を認め,PCPと診断した.HIV抗体陽性でCD4リンパ球も減少しており,AIDSと診断した.結論.本邦では75歳以上の高齢者においてもHIV感染やAIDSの発生例の報告はある.本症例のように非典型的な画像所見においても,PCPを鑑別に挙げる必要があると考えた.</p>

収録刊行物

  • 気管支学

    気管支学 40 (2), 139-143, 2018

    特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会

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