バイオプリンターを用いた新規毒性評価ツールの検討

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タイトル別名
  • Application of bioprinting to the development of novel methods for toxicity testing

抄録

【背景・目的】近年、in vitroの毒性・薬効評価ツールの需要が高まってきている。その理由の1つとして、動物実験の3Rsの促進により動物実験代替法が必要とされていることが挙げられる。これらのin vitroによる代替法試験は動物愛護面のみならず、経費の削減、試験時間の短縮など利点を有している。一方で、バイオプリンターは細胞を培養容器底面やゲル中に固定させることができ、三次元組織モデルの構築において注目されている。当研究室ではインクジェット方式のバイオプリンターを開発しており、その応用として組織モデルを構築し、薬効・毒性評価ツールへの展開を検討している。そこで、本研究ではバイオプリンターを用いて細胞をプリントしたものが、従来のin vitro接着培養と比較して同様の毒性反応を示すことを明らかにした。<br>【方法】ヒト表皮角化細胞株を用いて、96 well plateにHand群(2×104 cell/wellで播種し、24hインキュベート)、Printer群(バイオプリンターを用いて4×104 cell/wellで細胞をplateにフィブリンで固定)を作製した。それら2群に塩化亜鉛を24h処理し細胞生存率、細胞膜損傷、炎症因子(IL-8)の発現などの細胞毒性を測定した。<br>【結果・考察】細胞生存率を含めた細胞毒性反応はHand群、Printer群ともに同一の塩化亜鉛濃度で細胞生存率の低下を含めた毒性反応を示し、塩化亜鉛に対する毒性反応は同様の傾向であることが明らかとなった。バイオプリンターにより細胞を吐出・固定させるだけで毒性評価を行うことが可能であることが示され、それにより毒性試験における時間短縮が見込まれる。今回バイオプリンターを用いた薬効・毒性評価ツールは毒性反応の検出に有用性があることが示され、今後有力な薬効・毒性評価組織モデルへの展開が期待できる。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205550158080
  • NII論文ID
    130006582071
  • DOI
    10.14869/toxpt.44.1.0_p-246
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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