MEAと深層学習を利用した、ラット初代培養及びヒトiPS細胞由来神経細胞の薬物応答データ解析の試み

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タイトル別名
  • Trial for data analysis of drug responses in primary rodent neurons and human induced pluripotent stem cell‐derived neurons using MEA and deep learning

抄録

MEAによる培養神経細胞からの自発性興奮活動検出は、薬物誘発痙攣リスク判断に有用な評価法となる可能性がある。神経ネットワークからの自発性興奮は、活動電位スパイクと空間的に連動したバースト興奮として記録される。そのような活動は、ラットの初代培養皮質神経細胞及び海馬神経細胞では培養開始2-3週間で観察できるようになる。ヒト人工多能性幹細胞(hiPSC)由来神経細胞単独培養からげっ歯類由来神経細胞同様の自発性興奮を得ることは大変困難であるが、我々はマウス初代培養アストロサイト調整培地(mACM)あるいはhiPSC由来アストロサイトとの共培養によりhiPSC由来神経細胞から、げっ歯類由来神経細胞同様の自発性興奮を得ることに成功した。自発性興奮を示す培養神経細胞は、picrotoxinやgabazineによるGABAA 阻害及び4-aminopyridine によるKV1 阻害に対して用量依存的にてんかん原性反応の増強を示した。我々は、薬物誘発バースト興奮を示すこれらの細胞のMEAデータから、一連のバーストイベント内の興奮振幅クラスター数とMEA電気プローブ内の複数チャネル間の同期性の観点から表現系解析を行うことを試みている。また、深層学習を利用した薬物作用時のMEAデータの変化を捉える検出法の確立を試みており、これまでにラット初代培養神経細胞での4-aminopyridine, aspirin, gabazine, picrotoxin, triazolamに反応した自発興奮の変化の検出に成功している。現在データを蓄積すると共に、用量依存性確認を含め、より詳細な検討を行っている。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680525961216
  • NII論文ID
    130006582151
  • DOI
    10.14869/toxpt.44.1.0_p-280
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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