腫瘤像を呈した腸間膜脂肪壊死の1例

  • 菊地 望
    自治医科大学附属さいたま医療センター一般消化器外科
  • 野田 弘志
    自治医科大学附属さいたま医療センター一般消化器外科
  • 鈴木 康治郎
    自治医科大学附属さいたま医療センター一般消化器外科
  • 遠藤 裕平
    自治医科大学附属さいたま医療センター一般消化器外科
  • 渡部 文昭
    自治医科大学附属さいたま医療センター一般消化器外科
  • 力山 敏樹
    自治医科大学附属さいたま医療センター一般消化器外科

書誌事項

タイトル別名
  • Mesenteric Fat Necrosis Mimicking Liposarcoma—Report of a Case—
  • 症例 腫瘤像を呈した腸間膜脂肪壊死の1例
  • ショウレイ シュリュウゾウ オ テイシタ チョウ カンマク シボウ エシ ノ 1レイ

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抄録

症例は59歳,女性.上腹部痛を主訴に前医を受診し,CT検査で小腸腫瘍を疑われ精査加療目的に当科を受診.腹部CT検査で胃背側に45mm大の内部不均一,造影効果がない腫瘍を認め,MRI検査ではT1・T2強調画像で高信号,内部に不整形の低信号域が混在していた.脂肪抑制T1強調画像では信号低下がみられた.脂肪肉腫の診断で手術を施行した.胃結腸間膜内に被膜を伴う腫瘤を認め,膵臓などの周囲臓器への浸潤は認めず,容易に剥離可能であったため腫瘍摘出術を施行した.病理組織検査所見では被膜形成を伴う脂肪壊死であった.術後1年7カ月,再発は認めていない.腫瘤像を呈する腸間膜脂肪壊死の報告は少ないが,画像検査では脂肪肉腫との鑑別は困難である.腹腔内の炎症を惹起する誘因やその既往がある場合には,脂肪壊死の可能性を考慮して精査を進める必要がある.

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参考文献 (7)*注記

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