コーヒー滓の高温メタン発酵時における発酵阻害と阻害回避に関する研究

  • 西村 文武
    京都大学大学院工学研究科都市環境工学専攻
  • 渡邉 航介
    京都大学大学院工学研究科都市環境工学専攻 (株)神鋼環境ソリューション 技術開発センター
  • 日髙 平
    京都大学大学院工学研究科都市環境工学専攻
  • 水野 忠雄
    京都大学大学院工学研究科都市環境工学専攻
  • 高部 祐剛
    鳥取大学大学院工学研究科社会基盤工学専攻

書誌事項

タイトル別名
  • Fermentation inhibition of thermophilic methane fermentation with coffee grounds and its mitigation methods
  • コーヒーシ ノ コウオン メタン ハッコウジ ニ オケル ハッコウ ソガイ ト ソガイ カイヒ ニ カンスル ケンキュウ

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抄録

本研究ではコーヒー滓を処理対象としたメタン発酵を行う際に,実際上安定して高効率に処理を行うための基礎的知見を得ることを目的とし,コーヒー滓由来の発酵阻害物質の特性把握を回分式実験を通して行うとともに,コーヒー滓と生ごみの共発酵による安定的な処理の可能性を,連続処理実験を通して検討した.結果として発酵阻害物質はコーヒー滓発酵残渣固形物近傍に存在すること,発酵槽内に一定濃度以上蓄積した時に,メタン生成反応に阻害を発現するものであり,酸発酵には阻害影響を与えないものであること,低濃度時ではメタン発酵に阻害を与えないものであることが分かった.発酵阻害物質は活性炭吸着性があり,活性炭を投入することで,阻害影響を抑制できることが分かった.生ごみをCODあたり8%以上添加することによりコーヒー滓を主原料としたメタン発酵槽全体としては安定した処理が可能になった.菌叢解析の結果,初期には安定化に向けて菌叢は遷移するものの,最終的には流入基質条件に応じた状態に収束することが示された.生ごみ投入によるコーヒー滓の分解促進については明確には確認できなかった.

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