潰瘍性大腸炎に発生した虫垂原発腺扁平上皮癌の1例

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  • Adenosquamous Carcinoma of the Appendix in Ulcerative Colitis

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抄録

30歳代男性,10年来の潰瘍性大腸炎(全大腸炎型)に対し内科的治療を受け寛解状態を維持していた.右下腹部痛を主訴に当院を受診し,急性虫垂炎の診断に至った.保存的加療を行い,軽快退院した.4ヵ月後,右下腹部痛・背部痛を主訴に再受診した.腹部CT・MRIでは回盲部に右水腎症を伴う70×50mm大の分葉状腫瘤を認めた.大腸内視鏡検査では軽症の潰瘍性大腸炎所見に加え,盲腸の壁外性圧迫による変形が認められた.虫垂開口部は確認できなかった.超音波内視鏡検査では壁外腫瘍の盲腸浸潤が疑われた.盲腸粘膜の生検では異型性や悪性所見は認めなかった.以上より虫垂腫瘍盲腸・右尿管浸潤と診断し手術を施行した.病理結果で虫垂腺扁平上皮癌(pT4bpN2 (5/29) cM0, fStage IIIb)と診断された.潰瘍性大腸炎に合併した虫垂腺扁平上皮癌は極めて稀であり,PubMed,医中誌を用い1975年から2017年の期間で検索した限り,本症例は初めての報告である.

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参考文献 (7)*注記

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