世界俳句の検討による伝統的な言語文化の相対化――国際バカロレアTOKの視点を取り入れて――

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書誌事項

タイトル別名
  • Relativization in Japanese Traditional Language Culture by Examining <i>Global Haiku</i>—Applying a TOK Viewpoint (International Baccalaureate)—

抄録

<p>本稿は、「伝統的な言語文化」を相対化することの意義と、そのリテラシーの育成にTOKの援用が有効であることを、世界俳句(HAIKU)の授業実践によって検証したものである。学習者は、「HAIKUは『俳句』といえるか」を中心に、「なぜそう言えるか」「どの程度翻訳は可能か」等TOKを意識した問いの検討を通して認識を変化させた。当初は「日本固有の文化」として形式的条件からHAIKUを「俳句」ではないと主張していたが、機能的意義の気づきを得てHAIKUへの理解を深め、外国の俳人への敬意が生まれた。これは同時に、自文化の価値の再発見となっている。こうした自文化を絶対視する態度を保留し、多角的に自文化の独自性と普遍性を吟味して判断することは、「伝統的な言語文化」を相対化して捉えるリテラシーの獲得といえ、主体的に「伝統的な言語文化」を継承する役割を担うことにつながる。TOKを意識した問いは、学習者に前提を自覚させ、知識をメタ的に吟味し、主体的に判断する姿勢を促したといえる。</p>

収録刊行物

  • 国語科教育

    国語科教育 83 (0), 42-50, 2018-03-30

    全国大学国語教育学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680802124160
  • NII論文ID
    130006728186
  • DOI
    10.20555/kokugoka.83.0_42
  • ISSN
    21899533
    02870479
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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