広範な皮下気腫と縦隔気腫を来した腹壁膿瘍を伴うS状結腸癌腹壁浸潤の1例

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  • Abdominal Wall Abscess with a Wide Range of Subcutaneous Emphysema and Pneumomediastinum Resulting from Invasion of Sigmoid Colon Cancer

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抄録

<p>症例は66歳の男性で,S状結腸癌腹壁浸潤の診断にて手術予定となったが,入院数日前より腹部膨満および左下腹部の発赤・緊満が出現し,入院時にはS状結腸腹壁浸潤部を中心に腹壁膿瘍を形成し,広範な皮下気腫を認め,さらに閉塞性イレウスを来していた.まず人工肛門造設術および切開排膿術を施行した.全身状態の改善を待って,初回手術から42日目に腹壁合併切除を伴うS状結腸切除を施行した.腹壁の欠損部は13×17 cmとなり,有茎大腿筋膜張筋皮弁を用いて腹壁を再建した.腹壁膿瘍を伴う大腸癌症例では,局所の浸潤傾向に比べて遠隔転移は比較的少ないという報告もあり,切除可能であれば必ずしも予後不良ではないと考えられる.広範な腹壁合併切除を要しても,筋皮弁による腹壁再建を行うことで切除可能となるならば,切除を行う意義は十分にあると考えられた.</p>

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参考文献 (12)*注記

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